チャットレディとして活動していると、衣装やメイク、撮影機材など、何かと出費がかさみますよね。
これらの支出は「経費」として計上することで、課税対象となる所得を減らし、結果的に支払う税金を抑えることができます。
ただし、「どこまで経費にしていいの?」と悩む方も多いはず。
この記事では、チャットレディとして経費にできるもの・できないものの具体例を紹介しつつ、なぜ経費をきちんとつけるべきなのかについてもわかりやすく解説します。
節税につながるポイントを、初心者でもしっかり押さえられるようにまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
経費とは?計上する必要があるの?

経費とはチャットレディという事業で所得を得るために発生した費用のことです。

チャットレディであれば、チャットをするためのパソコンやWebカメラなどへの支払いが経費にあたります。
確定申告では、1年間で得た収入から経費を引いた年間所得を申告し、所得税を正しく納めます。
そのため、経費を正しく計上することで、正しく納税することができるのです。
確定申告についてよく分からない、基本的な知識をつけたい、という方はこちらの記事をご覧ください。
つまり、賢く経費を計上していくことが節税につながるのです。
ただし、事業に必要と判断されるものでないと、経費とは認められません。
では、チャットレディの場合はどのような出費が経費として計上できるのでしょうか?
年間所得 = 1年間の収入 ー 1年間の経費
経費を計上することで、課税対象となる年間所得を減らせる! = 節税につながる
チャットレディの経費で落とせるもの・落とせないもの

チャットレディのお仕事は、パソコンやスマートフォンの画面越しに男性とコミュニケーションをとるお仕事です。
経費と認められるものは、そのお仕事に対して必要な費用のみです。
主にチャットレディの経費として計上できるものは以下の通りです。
- 美容代
- 衣装代
- 機材代
- 交通費
- 接待費
- 家賃や光熱費
美容代(化粧品や美容院)、衣装代(ウィッグやアクセサリー含む)、機材代(パソコンやWebカメラ)はチャットレディの必需品といっても過言ではありません。
その他にも、交通費はチャットルームまでの電車・バス代、接待費はお仕事関係の飲食代、家賃や光熱費も計上できる可能性があります。
持家の場合は家賃とは条件が異なるので、実際に経費にしたい場合は税務署や税理士へ相談してみるとよいです。

経費として計上することができないものは、チャットレディのお仕事に関係のないものです。
例えば、お友だちと行くカフェ代や、関係ない漫画などが当てはまります。
完全に私的な娯楽やプライベート目的の買い物については、たとえ領収書があっても経費としては認められません。
もし、そのような費用を申告し、「本当に経費なのか?」と怪しまれた場合、税務署から呼出状が届くこともあります。
その結果、経費として認められないと、修正申告を求められたり、延滞税や過少申告加算税といったペナルティが課されることもあります。
そのため、「これは本当に仕事のための支出か?」と客観的に判断しながら記録を残しておくことが大切です。
経費となるものは領収書やレシート必須

領収書やレシートは保管していないと経費として計上することができません。
毎年提出をする必要はないですが、万が一税務調査が入った際に、過去の分の証拠として提出する必要があります。
そこまで高価なものでなければ、レシートでも問題ないですが、以下の4つが明記されている必要があります。
- 購入したお店や会社の情報
- 購入日
- 取引内容
- 取引金額
そして、青色申告では原則7年間、白色申告では原則5年間の領収書の保存が義務付けられています。
帳簿類の保存期間は青色・白色どちらも原則7年なので、領収書も一緒に7年間保管しておくのがよいでしょう。
紙のレシートを大量に保管しておくのは工夫が必要です。
月ごとにコピー用紙に貼り付けてファイル保管する方法や、スキャンしてデジタル保存する方法もあるので、自分に合った方法を見つけてくださいね。
お仕事を始める準備の費用は計上できるの?
チャットレディのお仕事を始める前にまず購入しておくことが多いのが、パソコンなどの機材費です。そのような、お仕事を始める前の出費についてはどうなるのでしょうか?
結論、開業前の出費については、10万円未満のものであれば開業費(繰延資産)として計上することができます。
こちらは白色申告でも計上可能ですが、白色申告は赤字を翌年に繰り越せないため売上が安定しない1年目に計上するのは注意が必要です。
繰延資産は2,3年目などに経費化することもできますので、領収書やレシートは必ず保管しておきましょう。
ただし、10万円以上の出費があった項目については減価償却費となり、開業費にはなりません。

減価償却費とは、高額な物(資産)を購入したときに、その金額を何年かに分けて少しずつ経費にする方法です。
10万円未満・・・その年で一括計上
10万円以上20万円未満(条件あり)・・・3年間で均等に計上
20万円以上・・・その商品の耐用年数や計算基準に応じて減価償却算出
例えば、15万円のパソコンを購入した場合、3年間で均等に償却していくため、3年にわたって5万円ずつ計上することができます。
20万円以上であれば、その品目の耐用年数や計算方法に応じて減価償却額を算出します。
ただし、青色申告の場合は30万円未満の商品であれば、少額減価償却資産の特例を利用できます。
このように、青色申告だと節税にあたるメリットが多いため、チャットレディとして本格的に稼いでいく方であれば、青色申告にすることをおすすめします。
プライベートでも使う化粧品などは計上できるの?

例えば、化粧品や衣装はプライベートとお仕事両方で使うことが多いと思います。
もちろん完全にお仕事のみで使っているものであれば100%経費として計上してよいです。
しかし、プライベートでも使うことがあるものであれば、お仕事で使う割合を算出する必要があります。
このように、事業用とプライベート用の経費を割合で分けることを家事按分といいます。

お仕事で使う割合はどうやって計算すればいいの?
特に計算方法が決まっているわけではありませんが、毎年同じ基準で算出するようにしましょう。
確定申告の際に毎回違った方法で計算すると、税務署から怪しまれてしまう可能性があります。
化粧品を例に上げると以下の通りです。
<A子さんの例>
・1年間の化粧品代(お仕事プライベート兼用)が10万円
・毎日メイクをする
・平均週2日お仕事をする
<計算式>
事業用の割合の算出:2日 ÷ 7日(1週間)= 0.3(約3割)
経費とする化粧品代:10万円 ✕ 0.3 =3万円
このように明確な基準があることを説明ができるようにすることが大切です。
各項目の計算方法をメモしておいて、毎年同じように算出できるようにしておくとよいでしょう。
また、計算する際に分かりやすいようにレシートの裏に使用用途や目的を書いておくとよいです。
家賃も全額は計上せず、お仕事に使う範囲で家事按分を行いましょう。
<B子さんの例>
・週3日、1日6時間お仕事をする
=1週間に18時間お仕事をする
・家賃8万円
<計算式>
事業用の割合の算出:18時間 ÷ 168時間(1週間)≒ 0.1(約1割)
経費とする家賃:8万円 ✕ 0.1 =8,000円
まとめ

経費を計上することは、所得税を正しく納めるために大切なことです。
経費かどうかの基準としては、チャットレディのお仕事に必要なものかどうかを考える必要があります。
また、購入したものを経費として申告する際は、明確な基準をもって説明できる根拠を用意しなければいけません。
まずは購入した日付や金額などが分かる領収書・レシートを必ず保管しましょう。そして、プライベートと兼用している化粧品などについては家事按分を行い、お仕事の分でどのくらいの経費になるのかを計算しましょう。
経費の記録や整理は少し手間に感じるかもしれませんが、正しく行うことで税金の負担を減らし、自分の収入をしっかり守ることにつながります。
「お仕事に本当に必要だったか?」を意識しながら、証拠をきちんと残し、分からないことは専門家に相談するのもひとつの手です。
無理なくできる範囲から取り組んで、チャットレディとして安心して長く続けていくためにも、賢く節税していきましょう。